Archive for November 2004

磁化ナノ粒子によるガンの超早期発見

シカゴにあるNorthwestern大学の若手教授である、Dr. Chad Mirkinが率いるBio/Nano-Materialグループが開発した磁化ナノ検出粒子技術がバイオ業界の注目を集めています。

以下に要点をかいつまんで説明します。Amine-Functionalized Magnetic Particleと呼ばれる、ナノメーター(10-9m) レベルの大きさの磁気粒子と、検知したい特定のタンパクに結合するモノクローナル抗体を合体させたMagnetic Microparticle Probeと彼らが名付けたナノ粒子を、血液あるいは体液と反応させると、抗体部分が検知したいタンパクと結合します。それらの結合物は磁気を持っていますので、磁石を使ってもれなく集めることが可能になります。これによって、極微量のタンパク質を効率的に検出することが可能になると言うわけです。彼らの技術では、30×10-18 molの極微量のタンパク質を同定できるとのことです。この通常操作に加えてPCR[*注]増幅をかければ、さらに一桁感度が上がり、3×10-18 molの極微量のタンパク質の同定が可能になります。これは、現在一般に利用されている分析法での限界値である3×10-12 molのなんと100万倍も感度が高いことになります。

この技術を応用すれば、磁化ナノ粒子を検体の血液と混合させ磁場を掛けることによって、これまでの試験方法では検出できなかった極微量の疾病マーカータンパクを同定しうることが可能になります。現在のところ、HIV、ガン、BSE、アルツハイマー病などの疾病の超早期診断が可能になるのではと期待されています。詳しくは、Dr. Chad Mirkinの研究室のホームページ
http://www.chem.northwestern.edu/~mkngrp/BioNanomaterials2003rev1.htm および、以下の参考文献を参照してください。

参考文献: Nam, J.-M.; Thaxton, C. S.; Mirkin, C. A. Nanoparticle-based bio-bar codes for the ultrasensitive detection of proteins, Science 2003, 301, 1884-1886.

[*注]PCR — ポリメラーゼ連鎖反応:微量なDNA溶液の中から、自分の望んだ特定のDNA断片(数百から数千塩基対)だけを選択的に増幅させることができる技術(出典:フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia)』)