Archive for May 2010

明快な英語を書く

amazon.comのレビューアのコメントになかなか示唆に富むコメントを見つけたのでここに紹介したいと思います。

それは「AMA Manual of Style: A Guide for Authors and Editors」に対するBill Frankeさんのコメントです。

「AMA Manual of Style」はAmerican Medical Associationが発行している、医学論文を書く際の手引きとなっているガイドブックなのですが、Bill Frankeさんはその手引きが医学論文の冗長でもったいぶった表現を助長していると批判しています。

Bill Frankeさんがやり玉に挙げているのが、その本の冒頭部分に登場する以下の表現です。

“Preparation of a scholarly manuscript requires thoughtful consideration of the topic and anticipation of the reader’s needs and questions”

この表現が「冗長」「もったいぶっている」と言うのです。そして以下のようにより簡明な表現にすることを勧めています。

“When writing your scholarly article, think deeply about the topic and anticipate your reader’s needs and questions”.

最初の文章では読む者を突き放した表現ですが、この文を読んでいる人に直接語りかけるスタイルになりました。さらに、”think deeply about the topic”も余分なので思い切って省いてしまい、最終的に

“When writing your scholarly article, anticipate your reader’s needs and questions”

としています。確かにすっきりとしましたね。

学者や研究者の中には「冗長」で「もったいぶった」表現と「格調高い」表現とを混同している人が、洋の東西を問わず多くいるのですが、彼らには「明快」で「読みやすい」表現を心がけてもらいたいものです。

ただし、学術論文では最初の表現もありとは思いますが。

糖分の取りすぎがコレステロール値に悪影響

アメリカの Emory School of Medicine の Dr. Miriam Vos のグループの臨床研究から、糖分をより多く取っている対象者のLDL値はそうでない対象者に比べて高く、逆にHDL値は低いとの研究結果が得られました。

ただし、HDL値の差は統計的にある程度の有意性があります(p < 0.001)が、LDL値の差は統計的に有意ではありません(女性に対して p = 0.047、男性に対しては差は無し)。また対象者のBMIがほぼ27から28ですから、太り気味の人を対象にしていることも念頭に入れておく必要があります。もちろん対象者はアメリカ人です。 この結果をそのまま日本人に当てはめても良いかどうかは不明ですが、糖尿病の危険性も付きまといますから、少なくとも糖分の取りすぎには注意した方が良いことは確かでしょう。 [参考文献] Jean A. Welsh; Andrea Sharma; Jerome L. Abramson; Viola Vaccarino; Cathleen Gillespie; Miriam B. Vos Caloric Sweetener Consumption and Dyslipidemia Among US Adults
JAMA, April 21, 2010; 303: 1490 – 1497.