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非線形の複雑系である生体

非線形の複雑系である生体は:

  • 微少な初期条件の違いが結果に大きな違いをもたらすこともあれば、逆に初期条件がかなり異なっても結果が安定していることもある
  • 修復機能やフィードバック機能を持つ
  • 生命の特徴としてのダイナミックな恒常性を持つ、つまり、恒常性は維持しているが、常に外界との相互作用により外界から負のエントロピーとしての高価値のエネルギーを取得し、生体の秩序を保っている

単純にこの認識に立てば、高価値のエネルギーをたくさん取得(つまり過食)すればするほど有利であるが、現実はそうではなく、糖尿病や心疾患(血管内壁損傷)の増加をもたらしている。つまりある値以上の高価値のエネルギーを取得しても、それは生体に取って有利には働かず、逆に恒常性を破壊することになっている。どうすればこれを定式化できるか?健康を維持するための最適の食事法の確立は可能か?

方法論に関する雑感

要素還元的方法論に立脚して、

  • 生体の状態を記述するparametersを測定する
  • 各parameter間の相関を網羅的に見る(parameter間のあらゆる組み合わせを走査する)
  • 相関の見つかったparameter間の因果関係を解明する(機序の解明)

生体は非線形の複雑系であるため、各要素の単純な足し上げでは理解できないが、結果には必ず原因がある。生体がなんらかの反応をする背景には、それをもたらす機序がある。例えば、高LDLコレステロールの人の集団では、心疾患の発症率が高い(つまりこの2者間には相関がある)。次にその因果関係を解明する。例えば、LDLコレステロールが実際に動脈硬化をもたらす機序を解明する。と同時にLDLコレステロールが他の細胞や臓器系に及ぼす影響も解明する必要がある。